近年、コロナウイルスをきっかけに在宅勤務で働く人が増えています。
通勤の負担や外食が減って健康になった人もいる一方、運動不足になってしまったという声も聞かれます。
皆さんの中にも、
「同じ姿勢でいることが多くて、体が固まっている感じがする」
「ついつい間食してしまうから、以前より太ってきた」
「人と会うのが面倒になって、外に出たくない」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、在宅勤務による生活習慣の変化が、体にどのような影響を及ぼすかをお伝えし、その対処法をご紹介します。
最近、在宅勤務による体調の変化が気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね
在宅勤務が中心になると、生活のあらゆる面で変化が生じます。
以前と比べて時間と心に余裕ができ、心身共に健康になる場合もあれば、運動不足やストレスの増加でかえって不健康になってしまう場合も。
在宅勤務による生活の変化により、ご自身が悪影響を受けていないか、チェックしてみましょう。
全体で5つ以上チェックが付いた方は要注意です。
<運動のチェック>[*1]
運動不足が続くと、筋力低下や肥満につながります
□会議などの場所移動がなくなり、同じ姿勢のまま長時間仕事をしている
□通勤などの移動がなくなり、仕事の日は一歩も外に出ないことが多い
□一日の歩数が在宅勤務前よりも減った
<食事のチェック>[*1]
外食が増えると、カロリーや塩分過多になる傾向があります
□食事の時間と仕事の時間の境界があいまいになり、間食や「ながら食べ」が多くなった
□手軽に食べられるテイクアウトの食事や外食の配達サービスなどを利用することが増えた
□いつも同じようなメニューで、野菜や果物類はあまり摂っていない
<睡眠のチェック>[*1]
十分な睡眠時間が取れていないと、疲労感や情緒不安定、判断力が鈍るなど、生活の質に大きく影響します
□退勤時間の自由度が高まったことで夜遅くまで仕事をするようになった
□通勤のために早起きをする必要がなくなったりし、夜更かしをするようになった
□夜遅くまでパソコンを見ているため、寝ても熟睡できないことが多い
<労働時間・環境のチェック>[*1]
労働環境がきちんと整備できていないと、身体にも心にも負荷がかかります
□オンオフの切り替えが難しくなり、だらだらといつまでも仕事をしてしまうことが増えた
□机や椅子など自宅の設備が長時間仕事をするのに適しておらず、腰痛になった
□家族がいる環境でのリモートワークで集中ができず、ストレスを感じている
□職場の人とのコミュニケーションがとりづらく、人と会う機会が減って孤独を感じている
ご自身はいくつチェックがつきましたか?また、どの項目のチェックが多かったでしょうか?
改めてご自身の現在の生活を振り返って、改善できる点を探してみましょう。
また、在宅勤務が中心になったことによる変化が、上記のような悪い影響となって表れている場合は、次に紹介するような病気にも注意が必要です。
[*1]「健康日本21(第二次)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html)をもとにアフラック生命保険株式会社作成
在宅勤務の悪影響により引き起こされがちな病気とその対策をご紹介します。
食生活の乱れや運動量の減少がみられる人は、肥満や動脈硬化のリスクが高くなります。
活動量の低下や運動不足が続くと、筋肉がブドウ糖を取り込む能力が低下し、血糖値が下がらない状態になります。その状態で食事の量が増えてしまうと、高血糖の状態を招き、肥満や動脈硬化などのリスクが高まるとされており、要注意です。
肥満や糖尿病対策として、始業前、終業後に運動する習慣を作りましょう。
まずは自宅でできる体操やストレッチ、ウォーキングなど手軽なものから始めると習慣化しやすいのでおすすめです。
また、食べたものを記録することも食べ過ぎを防ぐのに効果的です。
在宅勤務では、仕事の合間の間食がかさんだり、デリバリーなどの食事が増えたりして肥満につながりやすくなります。
食事を記録することにより、無意識の食べ過ぎを防ぐことができます。食べたものを手軽に記録できるスマートフォンアプリもあるので、上手に利用しながら取り入れてみるのもよいでしょう。
長時間、パソコンに向かうなど、同じ姿勢をとり続けていると血流が悪くなります。血流の悪さは、重篤な病気につながることもあるので注意が必要です。
例えば、大災害の避難時に問題となったエコノミークラス症候群[⋆3]は、足を動かさずに長時間同じ姿勢でいることによって血行不良が起こり、血液が固まりやすくなる症状です。
血栓が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあるのです。
<対策>
エコノミークラス症候群の予防対策として、以下を心がけるとよいでしょう。[*2]
具体的には、リモートワークの会議を立って行うなど姿勢を変えるようにする、1時間に1回は意識して体を伸ばす(タイマーをかけると効果的)、かかとの上げ下ろし運動やふくらはぎのマッサージをする、などがおすすめです。水分補給もこまめにしていきましょう。
在宅勤務で人と関わる機会が減り孤独を感じる、コミュニケーションがとりづらい、仕事とプライベートの切り替えが難しいと感じているときは、ストレスの増大やうつ病など、メンタルの不調につながることもあります。
一人で悩みを抱え込まないようにし、オンラインでもよいので他の人とのつながりの場を持ったり、セルフチェックを定期的におこなったりするのがおすすめです。
人間関係などの相談は気心が知れた友人に、仕事に関しては話しやすい上司、健康面ではかかりつけの医者など、仕事・人間関係・健康面それぞれに相談しやすい相手を決めておくとよいでしょう。
集中力の低下や、気持ちが落ち込むなどの不調を感じたタイミングで、相談や受診をするようにします。
[*2] 出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html)
長引く在宅勤務の悪影響が引き起こす病気と、対策法をご紹介しました。
大きな不調を感じていなくても、運動不足や食べすぎ、同じ姿勢で長時間過ごすなどの行動を続けていると、気づかぬうちに病気が忍び寄っている可能性があります。
今回ご紹介した対策法は、どれも今すぐ簡単に取り組めるので、まずはできそうなものから皆さんの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。