50代から気を付けるべき食生活と運動のポイントとは?
50歳を超えた頃から「体力が落ちてきた」「健康診断の結果があまりよくなかった」など、健康について気になり始めていませんか?
体重増加が気になって夕食を少なめにするなど、食事量を減らしている方もいるかもしれません。しかし50代以降の健康づくりは、単に食事を制限すればよい、体重を落とせばよいというものではなく、この年代ならではの注意が必要です。
本記事では、食生活に気を付ける大切さや、健康を維持するために食生活と運動で意識したいポイントをご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
若い頃と同じままだと危険?50代以降で食生活を見直す理由
50代以上の方が食生活に気を付けるべき理由は、2つあります。
1つずつ見ていきましょう。
理由1.筋力低下に備えるため
50代以降は筋力が低下してくるため、高年期に備えて筋肉を維持し健康な体を作っておく必要があります。そのためには、日々の食事で必要な栄養素がきちんと摂取できていることが重要です。
いつも同じ食材ばかり食べていたり食事を抜いたりしていると、摂取カロリーは足りていたとしても、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどが不足してしまいます。また、体重の増加を気にして食事制限をする、あるいは昔ほど食べられなくなって食事の量そのものが減った、という方もいるのではないでしょうか。
栄養素の不足に運動不足も重なった場合、骨密度の低下につながり、自分で立ち上がったり歩行したりすることが困難になることもあります。
毎日の食事で、栄養素が十分摂取できるよう気を付けましょう。
理由2.生活習慣病のリスクに備えるため
50代以降は代謝や筋力が落ちていき、血管の老化もスタートする時期です。内臓脂肪も蓄積しやすくなります。肥満や高血圧になると、糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・がんなどの生活習慣病につながる恐れもあります。
生活習慣病を予防するには、筋力を維持するためにたんぱく質を十分に摂るなど、食生活に気を付けながら、日常的に適度な運動をすることが必要です。
とくに働き盛りの30~40代以降、仕事や家庭で働きすぎや睡眠不足が重なっていた方、飲酒・喫煙を長年続けてきた方は、生活習慣病に要注意です。
体重を落とすだけの食生活は危険!意識したい3つのポイント
体づくりに必要な栄養素を摂り、生活習慣病を防ぐために、食生活で意識したいポイントをご紹介します。
ポイント1.たんぱく質をしっかり摂る
加齢とともに起きる筋肉量の低下は、要介護状態の前段階であるフレイル[*1]や生活習慣病につながります。それらを予防するためには、たんぱく質をしっかりと摂る必要があります。[*2]
[*1]健康な状態と要介護状態の中間の段階のこと
[*2]出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html)
肉類はたんぱく質が多く含まれているので、意識して摂りたい食材です。鶏肉の皮や骨付き肉には、肌のハリを保つコラーゲンも多く含まれるので、肌の調子や艶が気になっている方にもおすすめです。
摂取カロリーが気になる方は、余分な脂のかたまりを除いて調理すればカロリーが抑えられますよ。
体重増加が気になっている場合は、お肉などのメインディッシュを制限するのではなく、間食を減らすなどの工夫をすると、摂取カロリーを減らしながらたんぱく質をしっかり摂取できます。
豆腐などの大豆製品は、低カロリーでたんぱく質を含む食品です。調理も手軽にできるので、積極的に食べるようにするとよいでしょう。
ポイント2.アルコールや油っぽい食事を摂り過ぎない
50代以降は、年齢とともに代謝が低下し、ホルモンバランスも変化するため、内臓脂肪が蓄積しやすくなってきます。アルコールや油っぽい食事の摂り過ぎは控えるようにしましょう。
たとえば、野菜・豆・キノコなど食物繊維を多く含むものは、ブドウ糖の吸収速度を緩やかにします。血糖値の上昇を抑える働きや、脂質の吸収を抑制する働きもあるので、意識して摂るのがおすすめです。
ポイント3.多様な食品・食材を使って料理する
いくら健康によいといわれているものでも、同じものばかり食べていると、特定の栄養素が不足してしまいます。
栄養素不足が気になる年代だからこそ、「たくさん食べる」のではなく「いろいろなものを食べる」ことが大切です。
いつも同じような食材を使っている、似たような料理が多いという方は、料理のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか。
本屋には健康によい食材を使った料理レシピ本がずらりと並んでいますし、インターネットで「生活習慣予防 レシピ」などと検索すると、さまざまなレシピが出てきます。
例えばキノコや海藻・魚・大豆製品など、普段あまり食べていない食材はありませんか? それらを使った新メニューに挑戦してみると、意外な定番料理が増えるかもしれませんね。
食事の改善と一緒に実践すると効果的!日常的に運動を取り入れるときの2つのポイント
前述したように、50代以降の健康には筋肉量の維持や肥満の防止がとくに重要です。食事に気を付けることと併せて、運動を取り入れるときのポイントをご紹介します。
ポイント1.下半身の筋肉を中心に鍛える
加齢とともに、主に下半身の筋肉が減少してくるため、下半身を中心に筋肉を鍛えるとよいでしょう。
膝や腰に痛みのない方は、お尻や太ももの筋肉を鍛えるスクワットがおすすめです。
筋トレをする時間がとれない方は、家事をしながらのかかとの上げ下げ運動や、テレビを見ながらの踏み台昇降運動など、気軽にできるものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
運動は長時間する必要はありません。短い時間でもよいので毎日続けることが大切です。
ポイント2.日常生活での運動量を増やす
エレベーターは使わず階段で上がる、一駅前で降りて歩くなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすと、無理なく運動を継続できます。
例えば、歩行は手軽に行える運動の1つです。
厚生労働省の健康日本21では、疫学的研究の結果から「1日1万歩」の歩数を確保することが理想とされています。(現状の目標値は男性9,200歩、女性8,300歩)[*3]
歩数計やスマートフォンのアプリ、スマートウォッチなどで歩数を計測してみると、1日に自分がどれくらい歩いているかを把握できます。
これまであまり歩いていなかった方は、少しずつ歩数を増やしていくとよいでしょう。
[*3]出典:「健康日本21(身体活動・運動)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html)
まとめ
50代以降の方が健康を維持するための食生活や運動のポイントをご紹介しました。
仕事や趣味などを楽しめる充実した人生を送るには、健康であることが大切です。
将来、生活習慣病や筋力不足に陥らないためにも、たんぱく質をしっかりと摂るように心がけ、日常的に運動を続けるようにしていきましょう。
今回ご紹介したポイントは、どれも簡単に取り入れられるものばかりです。
今後も元気に活動できるよう、取り入れやすいものから実践してみてくださいね。